副交感神経について動画で説明
― 迷走神経と「身体から脳への情報」の重要性 ―
「副交感神経=リラックスの神経」
このように説明されることが多いですが、実はそれだけでは本質の半分しか語られていません。
副交感神経の本当の役割は、
身体の状態を脳に正確に伝えること
にあります。
今回は
- 副交感神経の種類
- その中でも特に重要な「迷走神経」
- さらに見落とされがちな「迷走神経の求心性(感覚神経)」
について、分かりやすく解説します。
副交感神経は「2系統」ある
副交感神経は、出どころによって大きく 2つ に分かれます。
① 脳幹由来の副交感神経(脳神経性)
② 仙髄由来の副交感神経(骨盤内副交感神経)
この構造から、副交感神経は
「頭仙系(craniosacral system)」
と呼ばれています。
脳神経性副交感神経の4つの種類
脳幹から出る副交感神経は、4つの脳神経に含まれています。
● 動眼神経(第Ⅲ脳神経)
- 瞳孔を縮める
● 顔面神経(第Ⅶ脳神経)
- 涙腺
- 顎下腺・舌下腺(唾液腺)
安心すると涙や唾液が出やすくなるのは、副交感神経が働いている証拠です。
● 舌咽神経(第Ⅸ脳神経)
- 耳下腺(唾液腺)
- 咽頭・舌の感覚と連動
「食べる」「飲み込む」という行為と深く関係しています。
● 迷走神経(第Ⅹ脳神経)
- 心臓
- 肺
- 胃・腸
- 肝臓
- 膵臓 など
副交感神経の約70〜80%を占める、最も重要な神経です。
迷走神経は「命令」より「報告」の神経
迷走神経には、2つの役割があります。
● 遠心性(脳 → 内臓)
- 心拍数を下げる
- 消化を促進する
- 炎症を抑える
一般的に知られているのはこちらです。
● 求心性(内臓 → 脳)
しかし実は、
迷走神経の約80%は「求心性」
つまり、内臓から脳へ情報を送る神経です。
迷走神経は
「身体に命令する神経」ではなく
「身体の状態を脳に報告する神経」
と言った方が正確です。
迷走神経の求心性が伝えている情報
迷走神経の求心性は、次のような情報を脳へ伝えています。
● 内臓の物理的な状態
- 胃の張り
- 腸の動き
- 心拍リズム
- 呼吸の深さ
● 内臓の化学的な状態
- 炎症の有無
- 血液成分の変化
- 体内環境の乱れ
● 「安全か・危険か」という判断材料
- 今は安心できる状態か
- ストレス状態なのか
- 回復モードに入れるかどうか
これらの情報は脳に届き、
- 感情
- 自律神経バランス
- 痛みの感じ方
- 不安感や疲労感
にまで影響します。
自律神経が乱れる本当の理由
内臓の状態が悪くなると、
迷走神経の求心性情報が乱れます。
すると脳は、
「今は危険だ」
「ストレス状態だ」
と判断し、
👉 交感神経を過剰に働かせます。
つまり、自律神経の乱れは
身体の状態を脳が誤認識している結果
であることが非常に多いのです。
仙髄由来の副交感神経の役割
もう一つ重要なのが、**仙髄副交感神経(S2〜S4)**です。
- 大腸
- 直腸
- 膀胱
- 生殖器
排泄や骨盤内臓器の働きを調整し、
ここからの感覚情報も脳へフィードバックされています。
まとめ:副交感神経を整える本当の意味
- 副交感神経には 脳神経性と仙髄性 の2系統がある
- 中心となるのは 迷走神経
- 迷走神経の 約80%は求心性
- 内臓の状態が
感情・自律神経・痛み・疲労感を左右している
つまり、
副交感神経を整えるとは、脳に「正しい身体情報」を届けること
これが、自律神経ケアの本質です。
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