副交感神経(迷走神経)の長い旅

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ここ最近では自律神経に関する本などもたくさん出ていて「交感神経」「副交感神経」という言葉もだいぶ一般的になってきました。

交感神経は緊張・興奮・エネルギーを使う時・活動時に働く神経

副交感神経は休息・睡眠・エネルギーを貯める時・リラックス時に働く神経

めっちゃ簡単にいうとそういうことで、活動時に正常に交感神経が機能して休息時に正常に副交感神経が機能すれば問題ないわけです。

しかし、ストレス過多の現代社会では、交感神経が過剰に働いてしまったり、休息時に副交感神経がうまく働かなったりして、不具合が起こってしまうと。

なので「副交感神経を働かせよう!!」と本でもネットでも言っているわけです。

でも「副交感神経」って何となくは分かるけど、実態が掴めなくないですか?

結局何なの?っていう。

なので今回の記事では「副交感神経」について深掘りしていきたいと思います!

副交感神経の種類

「副交感神経」という1本の神経があるわけではなく、いくつかの神経に「副交感神経の線維」が含まれていると思ってください。

副交感神経の線維を含む神経は以下のとおりです。

機能的な分類

【唾液や涙の分泌】
・顔面神経
・舌咽神経

【瞳孔の収縮】
・動眼神経

【内臓の働き】
・迷走神経
・骨盤内臓神経

位置的な分類

【脳(脳幹)から出る】
・顔面神経
・舌咽神経
・動眼神経
・迷走神経

【骨盤から出る】
・骨盤内臓神経

脳神経は、首の延長にある脳(脳幹)から始まり、脳幹から顔の方に行ったり、脳幹から胃腸の方まで長く伸びていったりします。

顔の方にいく神経は唾液の分泌や涙の分泌、瞳孔の収縮などに関わり、内臓の方に下りていく神経は心・肺・肝臓・胃腸といった臓器を動かす神経として活動します。

骨盤内臓神経は骨盤の真ん中から始まって、尿管・膀胱・生殖器・大腸の一部・直腸などを動かします。

迷走神経の長い旅

顔の方にいく神経は脳幹から唾液腺などの繋がって唾液の分泌を促すので分かりやすいのですが、ちょっと複雑なのが名前の通り「迷走神経」です。

脳から始まりお腹まで繋がっていく「迷走神経の長い旅」を知ると、なぜ自律神経が内臓に影響を及ぼすのかが分かります。お時間のある時にぜひ見ていってください。

迷走神経(副交感神経)のトラブルによって
①喉や呼吸器に関する症状が起こる
②動悸や血圧などが起こる
③胃腸や腹部臓器の症状が起こる

脳神経の10番「迷走神経」は延髄に神経核があります。神経核というのは神経細胞の集合体です。

ここから迷走神経の長い旅が始まります。

①喉のあたり

延髄を出た迷走神経は内頸静脈という血管と一緒に、後頭骨にある頸静脈孔という穴を通過して首の方に下りていきます。

首のあたりで本管から喉や耳の後ろに神経の枝を伸ばしていきます。この神経は喉や耳の後ろ側の感覚を脳に伝えたり、喉頭の筋肉を動かす神経です。

ちょっとややこしいのですが、喉の筋肉を動かす神経は一旦心臓の方に下りていって、また戻ってきて喉に繋がるタイプのヤツもいます。「反回神経」と言います。「迷走」してます。

迷走神経は副交感神経としての働きだけでなく、喉の感覚などを感じる感覚神経、喉の筋肉・声帯を動かす運動神経としての働きもあります。

自律神経の乱れとヒステリー球などの喉の症状が密接に関係しているのはこのためです。

②心臓・肺のあたり

総頸動脈、内頸静脈という大きな血管と一緒の鞘に包まれて下方へ進む迷走神経は心臓の方へ。

心臓の運動と感覚を担います。

副交感神経が正常に働いていると「リラックスすべき時に落ち着いた脈」を維持することができます。

逆に交感神経が過剰になっていると脈は速く、動悸などの症状も起こりやすくなります。

かといって副交感神経が過剰に働いているのも問題で、徐脈(脈が弱くなる)や血圧の問題で朝おきられなくなったりすることも。

大切なのはバランスですね。

さらに肺や気管支にも枝を出して、呼吸器系を支配しています。

喘息がある人は夜などの副交感神経が働く時間帯に発作が起こりやすいですが、これは副交感神経の影響で気管が収縮するからです。

③食道〜横隔膜を貫通して各臓器へ

食道に沿って下降を続ける迷走神経は、食道と一緒に横隔膜の「食道裂孔」を貫通します。

そして、胃に神経を伸ばして胃の活動を支配します。

さらに腹部の血管と一緒になって、肝臓や膵臓、大腸、小腸などに分布して、それぞれの臓器を支配しているのです。

ここまでが迷走神経の長い旅でした。

延髄から始まって、色んな臓器に神経の枝を出しながら、本管が内臓まで下りていく。

このようにして私たちの体の迷走神経(副交感神経)は頑張っているのです。

副交感神経への整体によるアプローチ

体がガチガチに凝り固まっている
肩こり・頭痛がひどい
夜ぐっすり眠れない
胃腸の働きが良くない

そういった症状は基本的に「交感神経優位」なので、交感神経の緊張を緩めて・副交感神経を活性化する必要があります。

詳しくは自律神経失調症のページをご覧ください。

副交感神経が働く時

「そんなことしてる場合ちゃうぞ!」という時には副交感神経は働きません。

例えば、体長2mのヒグマが襲ってきたとします。

そんな時に優雅に食事をしたり、のんびりウンチをしている場合ではありませんよね。

そんな状況では、胃腸を働かせるよりも、胃腸の働きを弱めて、心臓をバクバクさせて筋肉に血流を送りまくって、エネルギーを総動員して、戦うか・逃げるかという「命を守る準備」をしないといけないわけです。

現代人はストレス過多で「見えないヒグマ」と戦っているような神経状態になってしまっている方がたくさんいます。

これは心身ともに非常にしんどいです。

生活習慣の見直しと同時に、当院の整体や食事療法・パーソナルトレーニングもぜひ検討して見てくださいね。

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